仕事を辞めたいと考えている人の中には、吐き気や動悸で悩まされている人もいるのではないでしょうか。
「このくらい我慢しなきゃ」と思う人もいるかもしれませんが、これは身体からのSOSサイン。もっと深刻な状態になる前に、早急に対応が必要です。
この記事では、仕事で吐き気や動悸に悩まされている人に向けて、その原因や解決法についてご紹介します。
仕事で吐き気や動悸がする原因とは? 辞めたいと思うのには理由がある
休日でも仕事のことを考えると吐き気がする・仕事中に動悸がするという人は、ストレスで心にかなり負担がかかっている可能性があります。
ストレスによる自律神経の乱れが、吐き気や動悸の原因になることがあるからです。
自律神経のバランスが崩れると体や心にさまざまな不調を引き起こすため、胃や腸のはたらきが悪くなったり胃酸が過剰に分泌されることで、吐き気の原因となることがあります。
それでは仕事を辞めたいほどストレスがたまり、吐き気や動悸がする原因には何が考えられるでしょうか?詳しく見ていきましょう。
睡眠不足
睡眠不足が続くとストレスがたまり、動悸・吐き気の原因になります。
睡眠不足などでストレスをためると自律神経が乱れてしまい、動悸が起きやすくなります。
引用:田中循環器内科
仕事が忙しくて残業続きだったり、仕事のことを考えて憂鬱で寝られなかったりと、仕事が原因で睡眠不足になっている方は注意が必要です。
厚生労働省によると、日本人の標準睡眠時間は6〜8時間であり、十分な睡眠を取ることで疲労回復や病気の予防につながり、ストレスも感じにくくなるそうです。
睡眠を6時間以上取ると、日中の眠気と疲労感が改善し、ストレスを感じにくくなり、うつ状態に至るリスクを減らすことができます。また、風邪にもかかりにくくなります。
日々の睡眠時間が6時間を切っている方は、今すぐに睡眠の量や質を改善してみましょう。
人間関係が悪い
仕事を辞めたい理由としてよく挙がるのが「人間関係」。怒鳴りつけてくる上司や嫌味を言う先輩がいると、会社に行くのが憂鬱になってしまいますよね。
また、中には複数の人から嫌がらせを受けたり、職場の雰囲気が悪くギスギスしていたりで悩んでいる人もいるかもしれません。
どんなに仕事内容に満足していても、人間関係が悪いと過剰なストレスがかかり、吐き気や動悸を引き起こす可能性があります。
プライベートなら嫌な人がいても距離を置けば済みますが、仕事ではそういうわけにもいかないのが辛いですよね。
仕事内容が自分に合わない
「自分はこの仕事に向いていない」という気持ちを抱えながら仕事をすることで、ストレスがかかり吐き気や動悸がすることもあります。
例えば、内向的な性格の人が新規開拓の営業をするのは、外向的な人に比べてストレスになりやすいでしょう。
仕事内容が自分に合わないという気持ちを抱えていると、仕事に対する意欲がなくなり、会社へ行くことが苦痛になってくるかもしれません。将来に対する明るいビジョンが見えず、働く意義を見出せなくなるのは辛いですよね。
仕事量が多い
仕事量が多いこともストレスの原因になり、吐き気や動悸を引き起こします。
毎日残業をしないと終わらないような仕事量だと、心身ともに負担も多くなり、心も壊れやすいです。
また、「もっと頑張らなきゃ」と自分を限界まで追い込み、ある日突然起き上がれなくなるほど体調が悪くなる人もいます。
吐き気や動悸がするという方は、すでに身体に影響が出ているため、今すぐに仕事量を見直す必要があります。
仕事で吐き気や動悸がある時のNG行動
仕事が原因で吐き気や動悸があっても、「そんなの甘えだ」と考えるのはNG。自分の身体が出しているサインを無視しないでください。
具体的に、吐き気や動悸がある時に取ってはいけないNG行動を紹介します。
我慢して無理に仕事を続ける
吐き気や動悸があるのは、心身に限界が来る一歩手前の状態です。
そんな危険な状態にも関わらず我慢して仕事を続けると、本当に心を壊してしまい、うつ病や適応障害などを患う可能性があります。
一度病気にかかってしまうと、すぐには治りません。特に、心の声を放置すると病状が深刻になり、年単位での治療が必要になる可能性も。
一度発症すると、時間が経つほど症状が重くなっていく傾向があります。
重症になるほど回復が難しくなる傾向もあるため、できるだけ早く治療を開始することが早期回復のカギです。引用:品川メンタルクリニック
吐き気や動悸を感じたら、絶対に無理せず、すぐに休養を取るようにしてください。吐き気や動悸が頻繁に起こる場合は、しっかりと病院で診察・治療を受け、医師の判断を仰いで必要であれば休職なども検討しましょう。それくらい事態は深刻です。
一人で悩んで周りに相談しない
吐き気や動悸で悩まされるほど追い詰められているのに、一人で抱え込もうとするのもNGです。
誰かに自分の悩みや状況を相談することで、心が軽くなった経験がある人も多いのではないでしょうか?
実際、誰かに相談してストレス解消することが、身体や心の健康に効果的だというデータもあります。
「家族や友人と話したり相談したりする」を選んだ人はそうでない人に比べて、4年後に高血圧になる危険度が30%程度減少していました。それとは逆に、「食べる」を選んだ人はそうでない人に比べて4年後に体重が増え、高血圧になった人の割合が多くみられました。
誰かに相談することで、客観的な意見を聞けたり、自分の考えを整理したりできるのも、ストレスの緩和につながります。
同僚や上司など仕事関係の人に話しづらい場合は、家族や友人など自分を理解してくれる人に相談してみましょう。
自分の気持ちを否定する
「仕事が行きたくない」という気持ちがあるのに、そんな自分の気持ちを否定するのはやめましょう。
上司や同僚、親から「そんなの甘えだ」と言われ、「自分が弱いからだ」と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、心と身体が「辛い」とサインを出しているのに、他人の価値観に影響されて自分を否定する必要は一切ありません。
本当に苦しいのなら周りの反応は無視して、まずは自分を大切にしてください。
仕事で吐き気や動悸がある時の正しい対処法
自分の気持ちを押し殺し、無理に仕事を続けると心が壊れる可能性があることをお伝えしてきました。
それでは、吐き気や動悸がある時はどのような行動を取ればいいでしょうか?ここからは、吐き気や動悸がある時の正しい対処法について紹介します。
有給があれば休息を取る
吐き気や動悸があるほどストレスを感じている場合は、可能であれば有給を取るなどして、しっかり休むようにしてください。
「無理しないように気を付けながら仕事するから大丈夫」と思っても、職場にいるとつい頑張ってしまうもの。
まずは、物理的に仕事から距離を置き、ゆっくりと心と身体を休めることが大切です。
好きなことや趣味に没頭するのはもちろん、何もせずゴロゴロしているだけでも大丈夫。しっかり寝て好きなものを食べ、余裕があれば食事の栄養バランスに気を遣ってみたり、少し身体を動かしてみたりするのもおすすめです。そうするだけで、心は少し回復します。
もちろん少し回復するだけでは根本的な原因の解決にはならないので、ゆっくり休息してから今後のことを考えるといいでしょう。
また、これまで受けたストレスが大きい人ほど、1~2日の有給では回復できない可能性が高いです。「もう無理」と限界を感じる人は、休職してまとまった時間の休養を検討してみてください。
上司や同僚に相談してみる
前の章で「自分一人で悩むのはNG」とお話ししましたが、できるなら上司や同僚に相談してみるのがおすすめです。
というのも、上司や同僚は自分の頑張りを間近で見ているので、具体的なアドバイスをくれる可能性が高いからです。
また、上司に相談することで仕事量を調整してもらえる可能性もあります。どうしても仕事が合わないなら異動願を出すのもありです。
ただし、上司や同僚に相談したくなかったり、信頼できなかったりするなら無理に話さなくてもOK。家族や友人などでもいいので、とにかく誰かに悩みを聞いてもらいましょう。
転職を検討する
人間関係の悪さや会社の雰囲気が合わないなど、自分では対処できないことでストレスを感じているなら、思い切って転職を検討した方がいいかもしれません。
特に吐き気や動悸がするほどストレスを感じている場合、どんなに休んで回復を図っても、職場に戻ればまた同じ症状に悩まされる可能性があります。
心の健康を取り戻して楽しく毎日を過ごすためにも、今の会社を辞めて転職への準備を進めることをおすすめします。
今の会社を辞めて一度リセットしてみる
吐き気や動悸などの症状に悩まされている場合、自分が思っている以上に心や身体に負担がかかっている可能性が高いです。そんな状態では、働きながら転職活動を行うほど余裕がないという人も多いと思います。
しかし、だからと言って今の会社で働き続けるのは得策ではありません。心身の健康を守るためにも、とりあえず今の会社を辞めて一旦リセットするのがおすすめです。
「転職先が決まらないうちに仕事を辞めたくない」という人もいるかもしれませんが、心身に負担がかかり症状が出始めているなら話は別。心が壊れると治療に時間がかかり、一生後悔することもあるからです。
転職は心の状態が回復してからでも何とかなるので、まずは今の会社から脱出することを考えてください。
「会社がブラックで辞めさせてくれない」「上司に脅されそうで怖い」などなかなか退職を言い出せない人は、退職代行サービスを使うのもおすすめです。
退職代行は、あなたの代わりに退職の意思を伝えるなど、退職手続きを行ってくれるサービス。嫌な上司とのやり取りもなく、退職の意思を伝えた日から出社しなくていいケースが大半なので、気まずい思いもしません。
自分の心の健康を守るため、退職代行サービスを上手に活用して会社を辞めることを検討しましょう。
まとめ
以上、仕事で吐き気や動悸がする原因と対処法についてお伝えしてきました!
吐き気や動悸がするのは自分が思っているより深刻で、病気になる一歩手前と言ってもいい状況です。
誰かに相談するなどのストレス解消法もありますが、休職や退職を積極的に検討することをおすすめします。「どうしても辞められない」と悩んでいる人は、退職代行の利用も検討してみてくださいね。
吐き気や動悸などの身体からのサインを見逃さず、まずは自分の健康を大切にしましょう。